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台北の街角

台湾の現地企業で働きながら、たまに中日翻訳などをやっています。台北に来て16年くらい。
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観光関連アンケートの日中(繁体字)翻訳を引き受けました。
そのなかに「出身国」を問う項目がありました。
設問は単に「出身国」だけ。
 
最初は、台湾でよく使われる"您來自哪個國家?(どの国から来ましたか?)"という表現にしようかと思いました。
ただ、念のため日本語のわかるネイティブに聞いてみると、確かに"您來自哪個國家?"はよく使われる表現だけど、この場合は回答者が混乱するかも、とのこと。
 
一瞬、おっしゃっている意味が分からなかったけど、つまりこういうことだ。
例えばリーさんはアメリカ出身でパスポートはアメリカ、現在台湾在住だがアメリカにもしょっちゅう帰る。
「どの国から来ましたか?」と聞かれた場合、「アメリカ」と答えるか「台湾」と答えるか、一瞬迷ってしまうのではないか。
 
別の例では、世界各地を旅している台湾人がいて韓国経由で日本に入った場合、「どの国から来ましたか?」と聞かれた場合、どちらかと言えば「韓国から来た」と答えてしまうのではないか、ということです。
 
もし、これが出身国="國籍"という訳であれば、回答者も迷わずに記入できる、というのがそのネイティブの意見でした。
 
アンケートの意図としても、どの国の出身者がどれくらいの割合で来訪するかを調査したいのだろうから、ここは"國籍"としたほうがよいかもしれません。
上の「リーさん」の場合、台湾から来たにもかかわらずアメリカと記入するかもしれませんが、アメリカ人としてのアイデンティティを持った人がこの観光地に興味を持ってやって来た、ということなので、アンケートの趣旨にも近いのではないでしょうか。
ひとつの単語であれこれ考えが広がるというのも、翻訳の面白いところであります。
 
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